ビールや酎ハイ、ワインは飲めても、日本酒はちょっと苦手。
試しに飲んだ日本酒がまずかった。
という方、実は日本酒の選び方が間違っているかもしれません。
日本酒は種類が本当に豊富で、味わいも様々。
濃醇辛口、淡麗甘口、どっしり、すっきりなど、表現も色々でどれを選べばいいか難しいですよね。
日本酒の選び方に困っている、初心者の方におすすめしたいのは、獺祭です。
フルーティーな香りとスッキリとした味わいは、とても飲みやすくておいしいですよ。
獺祭は、純米大吟醸の出荷量でなんと全国1位。
最近は海外でも人気が出て、どんどん出荷量が増えてます。
多くの人から、「飲みやすい」「美味しい」と評価を得ているんですね。
そんな大人気の獺祭、実は種類がたくさんあるんです。
またまたどれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
でも大丈夫。
今回は獺祭の味わいの違いを比較して、初心者におすすめの獺祭を紹介します。
また、日本酒のラベルに書いてある日本酒度、酸度についても詳しく説明しますよ。
これで初心者もおいしく楽しめる日本酒を、選ぶことができるようになりますね。
獺祭ってどんな味?スタンダードから最高級まで味わいの違いを解説
獺祭というのはブランド名のことで、精米歩合の違い、行程の違いでいくつか種類があります。
もちろんお値段の差も…。
獺祭のスタンダードラインから、最高級ランクまで、味の違いを解説します。
獺祭 純米大吟醸45
獺祭のスタンダードライン。
原料である山田錦というお米を45%まで磨いて、雑味のないすっきりとした味わいになっています。
米の繊細な甘みと、洋ナシのようなフルーティーで華やかな香りが、日本酒初心者にも飲みやすく、海外でも人気が出てます。
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分
山田錦をさらに39%まで磨いています。
米を磨くと表面にあるタンパク質が削られ、中心部分のデンプンだけが残ります。
すると酵母が発酵するための栄養素が足りなくなり、高級エタノールを作り始めます。
これが純米大吟醸の独特の香り。
獺祭45よりもさらにフルーティーで華やかな香りは、少しバナナのように感じるときもあります。
蜂蜜のようなきれいな甘みがあり、飲んだ後には余韻が長く続きます。
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
これ以上磨くと、お米が割れてしまうという限界ギリギリ、23%まで磨いた最高の純米大吟醸。
飲み口はよりすっきりと、それでいて華やかで上品な香りがします。
リンゴのような花のような香りと表現されることも。
透明感のあるさわやかな甘さと長く続く余韻が特徴です。
獺祭 遠心分離
酒造りではめずらしい遠心分離という技術を使っています。
遠心分離を使うと、圧力や摩擦が起きないので、もろみ本来の香りとふくよかさを残しつつ、すっきりとした味わいなのが特徴。
遠心分離ではない絞りで作った獺祭と混ぜ合わせています。
そうすることで、身体にすんなり染み入ってくるようなナチュラルさとパンチを併せ持つ味わいになっています。
精米歩合が23%の二割三分と、39%の三割九分の2種類があります。
同じ精米歩合の磨き二割三分と磨き三割九分に比べると、少しだけ辛口で濃厚な味わいになります。
獺祭 発泡スパークリング
獺祭45をベースに、シャンパンと同じ製法で作られています。
つまり、炭酸ガスを添加しているのではなく、発酵中の酵母が作っている炭酸が含まれています。
なのできめ細かな泡が長時間長持ち。
純米大吟醸らしい香りと、甘さもありつつ、シュワシュワ感とほどよいキレで、とても飲みやすいお酒です。
アルコール度数も他の獺祭より低めの14%なのも、飲みやすさの一因かもしれませんね。
獺祭 磨き その先へ
最高級ランクの獺祭。
安倍総理がオバマ大統領にプレゼントしたお酒としても有名ですね。
精米歩合、日本酒度などすべて非公表となっていて、秘密のベールに隠されているようなのも、かなり興味をかきたてられます。
初心者でも飲みやすい日本酒は?スッキリで華やかな香りの純米大吟醸がおすすめ
日本酒の味わいを表現するのに、濃醇、淡麗、甘口、辛口という言葉があります。
これは、日本酒のラベルに書いてある、日本酒度や酸度である程度分けられています。
ポイント
- 日本酒度が高く、酸度が低いと淡麗・辛口
- 日本酒度が高く、酸度も高いと濃醇・辛口
- 日本酒度が低く、酸度が高いと濃醇・甘口
- 日本酒度が低く、酸度も低いと淡麗・甘口
このような分け方になっています。
一般的には、癖や雑味の無いスッキリとした味わいが飲みやすいお酒と言われていて、初心者の方にもおすすめ。
あまり辛口すぎたり、甘口すぎたり、濃醇すぎたりすると、ちょっと飲みにくいかもしれません。
そこが良いんだという通の方もいらっしゃいますけどね。
また、薫酒(くんしゅ)に分類される、果実や花のような香りがするお酒も初心者には飲みやすいです。
メモ
- 薫酒(くんしゅ)…フルーティーな香り(大吟醸、吟醸酒)
- 爽酒(そうしゅ)…スッキリした味わい(本醸造酒、生酒)
- 醇酒(じゅんしゅ)…うま味やコクが濃い(純米酒)
- 熟酒(じゅくしゅ)…熟成されたお酒(古酒)
薫酒は、大吟醸酒や吟醸酒のこと。
獺祭は、どの種類も純米大吟醸なので、フルーティーで華やかな香りがします。
ラベルに書いてある評価基準を参考にしよう
日本酒のラベルをみると、数値がいくつか記載されていることがあります。
日本酒の味わいを表す評価基準です。
これを参考に、どのような飲み口なのかがわかります。
注意ポイント
- 日本酒度
- 酸度
- 甘辛度
- 濃淡度
- アミノ酸度
注意すべきなのは、味覚は人それぞれということ。
好みや、温度、アルコール度数などでも味わいは変化します。
また、アミノ酸の種類によっても、かなり味が変わるので判断が難しいですね。
一応の目安として参考にしてみてください。
日本酒度|清酒の比重を示す単位
酒に含まれているブドウ糖の濃度を、蒸留水と比較した数値のことです。
数値が小さくなるほどブドウ糖の量が多くなります。
+6.0以上 | +3.5〜+5.9 | +1.5~+3.4 | -1.4〜+1.4 | -1.5~-3.4 | -3.5~-5.9 | -6.0以上 |
大辛口 | 辛口 | やや辛口 | 普通 | やや甘口 | 甘口 | 大甘口 |
日本酒度は、数値が大きくなると辛く、小さくなると甘くなります。
だけど、日本酒度が甘口でも、飲んだ時は甘くない場合があるのが、難しいところ。
他の基準との兼ね合いで、甘さ辛さは変化します。
酸度|コク、キレを表す目安
日本酒には、コハク酸やリンゴ酸などの酸味が含まれています。
この酸を中和するために必要な水酸化ナトリウムの量を0.5~3.0の数値で表しています。
一般的には、1.4から1.6を境にして、それより高ければ濃厚辛口、低ければ淡麗甘口と表現されます。
数値が高いと「キレがある酒」になります。
甘辛度|甘さ辛さの度合いを示す値
ラベルに表記されてないこともありますが、甘さ辛さを表すのが甘辛度です。
甘辛度を知りたい時には計算で出すこともできます。
甘辛度 = {193,593 ÷(1,443 + 日本酒度)} − 1.16 × 酸度 − 132.57
非常に辛い | かなり辛い | 少し辛い | どちらでもない | 少し甘い | かなり甘い | 非常に甘い |
-3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
甘い辛いは、人の味覚なので若干曖昧なところがあります。
甘辛度に関して、官能検査をした研究では、約80%が当てはまるという結果でした。
濃淡度|味の濃さを示す値
濃淡度もラベルに記載されていませんが、日本酒度、酸度から計算することができます。
濃淡度 = {9,454 ÷ (1,443 + 日本酒度)}+ 1.88 × 酸度 - 68.5
非常に薄い | かなり薄い | 少し薄い | どちらでもない | 少し濃い | かなり濃い | 非常に濃い |
-3 | -2 | -1 | 0 | 1 | 2 | 3 |
濃淡度の数値が大きくなるほど、味が濃くなります。
甘辛度、濃淡度は、甘さ、辛さ、濃さ、薄さの目安としては、日本酒度、酸度よりも頼りになるかもしれません。
甘辛度、濃淡度を簡単に計算してくれる便利なサイトもあります。
日本酒度、酸度がわかっているなら、チェックしてみると分かりやすいですね。
アミノ酸度|コク、濃厚さに関わる目安
日本酒には、グルタミン酸、グリシン、アラニン、バリン、アルギニンなど多くのアミノ酸が含まれています。
アミノ酸度の平均は1.0から2.0です。
一般的にはアミノ酸度が2.0より高いと、濃厚、甘いお酒になり、1.0より少ないと淡麗、辛口のお酒になります。
アミノ酸はうま味になりますが、多すぎると雑味となって、飲みにくいお酒になってしまうこともあります。
アミノ酸度が高いと、どっしりと濃醇な味わいと表現されます。
それが「日本酒の良さ」と主張される通の方もいらっしゃいますが、初心者にはなかなか難しいかもしれませんね。
獺祭はすっきりフルーティーで初心者もおいしく楽しめる
先ほど説明しましたように、日本酒初心者の方には、すっきりとした飲み口で、フルーティーな香りがあるお酒が飲みやすいです。
獺祭二割三分、獺祭三割九分、獺祭45の評価を見てみましょう。
獺祭二割三分 | 獺祭三割九分 | 獺祭45 | |
精米歩合 | 23% | 39% | 45% |
日本酒度 | 4 | 5 | 3 |
酸度 | 1.1 | 1.1 | 1.3 |
甘辛度 | -0.06 | -0.15 | -0.2 |
濃淡度 | -1.13 | -1.18 | -0.71 |
アルコール | 15~16% | 15~16% | 15~16% |
獺祭45は、辛口よりの淡麗・甘口。
二割三分と三割九分は、甘口よりの淡麗・辛口。
獺祭はどのランクも純米大吟醸。
なので、梨やリンゴのような華やかでフルーティな香りがします。
そして、甘すぎず辛すぎず、すっきりした味わいなところも、飲みやすいおいしいお酒です。
獺祭45、獺祭三割九分、獺祭二割三分では、どれから飲むのがよいか
獺祭お試しセットは、獺祭45、獺祭三割九分、獺祭二割三分が3本セットになって、飲み比べができるセットです。
どれから飲むのが良いか獺祭の公式ページに書いてありました。
Q:複数の種類を飲み比べる順番は?
A:最も味の繊細な二割三分から飲んでいただけると味の違いを分かっていただきやすいです。引用:獺祭公式
原料のお米を23%まで磨いた二割三分は、雑味がまったくなくすっきりとしています。
香りは華やかですが、味は繊細。
酔ってしまうとその繊細な違いがわからなくなってしまうかもしれません。
旬の野菜料理や、魚、味噌や豆腐にも合うので、ぜひ獺祭二割三分から試してみてくださいね。